2018年度指導者研修会終了いたしました。

1月20日(日)に2018年度指導者研修会を開催しました。

今年度の指導者研修会は「 マーチングバンド活動のこれからを考える〜 小・中学校の指導事例をもとに〜 」というテーマで現在、小中学校で指導されている4名の先生方をお迎えして、パネルディスカッションを開催いたしました。


 【研修会概要】

日 時 2019年1月20日(日) 13時00分~15時30分場 所 エッサム神田

内 容 パネルディスカッション

    「 マーチングバンド活動のこれからを考える  〜 小・中学校の指導事例をもとに〜  」


パネラー 

    田米開 裕人 (栃 木・足利市立毛野小学校 栃木県協会理事長)
    中西 恵美子 (神奈川・横浜市立小机小学校)
    松本 千恵子 (埼 玉・春日部市立豊野中学校)
    片山 達矢  (神奈川・横浜市立潮田中学校 関東支部育成委員)
 
 


【パネルディスカッション概要】
  
4校の指導事例を資料に基づいて説明いただいた後、効果的な指導方法や指導者に求められることなどについて、それぞれの先生方のご意見をお聞きしました。
 小学校の先生方からは、小学生は音楽活動の入り口に立っている子たちであり、マーチング活動は教育であるという認識の大切さや、『できる喜び』を感じるような練習環境を整えることについて具体的な事例を交えてお話いただきました。期間限定部員の活動や、部の顧問以外の教職員にも応援していただけるような体制づくりなど、参考となる事例をたくさん聞かせていただきました。
 
中学校の先生方からは、発表や本番の機会を大切にし、拍手(認められること)で人は育つという考え方や、活内外でいろいろなことにチャレンジして自己の可能性を広げることの大切さをお話いただきました。「当たり前のことを当たり前に」できる子どもたちの育成を第一に、マーチング活動を通じて様々な実践をされていることをユーモアを交えて楽しくお話いただきました。

参加された方からも、外部指導者との関わり方や顧問同士の共通理解を得るかなどの具体的な質問も出され、指導の現場で、先生方が悩まれていることなどについても意見交換することができました。また、後半は、別階で本部の研修会に参加していた協会指導員の方々も合流され、現場の先生方の話に聞き入っていました。
 現在、部活動の時間短縮や活動のあり方について様々な論議がなされていますが、私たち指導者にとって、これからのマーチングバンドの活動をどうしていったら良いのかを改めて考えることができた大変有意義な時間となりました。





【当日の内容より】 
当日の内容や資料より抜粋しました。4名の先生方の指導法、お考えなどについて、少しでもお伝えしよう思い、掲載いたします。当日の内容をこのページで全てをご紹介できないのは大変残念ですが、参考にお読み頂ければと思います。


【指導・運営上大切にしていること】

◯足利市立毛野小学校 田米開 裕人

 ①小学生は音楽活動の入り口に立っている子たちであるという認識
 ②マーチング活動は教育であるという認識






◯横浜市立小机小学校  中西 恵美子
①安全第一  
 ショーを仕上げようとする中で、指導者も一生懸命になり時間が惜し
 く感じるときもあるが、子どもたちの安全第一をおろそかにしない。
②全ての活動が、教育になっているか。
 毎回『できる喜び』を感じるような楽しい練習環境を作りたい。
 楽器を持つわくわく感、感動できる心、揃ったときの気持ちよさ、拍
 手をもらったときの喜びなど、成長じられる活動を作りたい。


◯春日部市立豊野中学校  松本 千恵子
 ①誰でもできる、でも一人ではできない    
  仲間の良さを知り、お互いを高め合う部活での道徳。
 ②拍手で人は育つ   発表や本番の機会をたいせつに生かす。
 ③高い塔よりもピラミッドを目指そう  
  部活内でも部活外でもいろいろなことにチャレンジして自己の可能
  性を広げる。



◯横浜市立潮田中学校  片山 達矢
 ①学校教育の一つとして、部活動という学年の枠を超え、集団生活に
  必要なルールを身につける。
 ②一人ひとりの仲間を大切にし、人のために動くことができる態度を
  養う。
 ③楽器を演奏することを通して、音楽を楽しむ態度を養い、継続して
  取り組む力を身につける。

 
  《上記の実践のために》

①子どもたちに具体的な部活動全体の目標(大会結果や何を学び身につけたい)を話し合わせ、決める。
②音楽に親しんだり楽器の技術を身につけたりする前に、徹底的にできるまで、社会に出ていくために
 
必要なルールやマナーを継続的に指導する。
  ⇒技術の前に、人としてどうあるべきか「当たり前のことを当たり前に」できる子どもたちの育成を。
③子どもたちの自立した活動を目指すために、なぜ?何を?ということを考えさせるように。
  ⇒必ず顧問からのコメントを全員に書く。コメントを通して一人ひとり褒めることで、先生たちも見て
   ているということを理解させる。



【現在、課題として考えていること】

◯足利市立毛野小学校 田米開 裕人
《マーチング活動が普及するための環境の構築》
 ① 小・中学校において吹奏楽活動の中にマーチング活動を取り入れる仲間を増やす。 ② 小学校~中学校 高校・一般、生涯を通じてマーチング活動ができる環境の実現。


◯横浜市立小机小学校  中西 恵美子
《子どもも大人もお互いのためになる活動へ》
 部活動のあり方、働き方改革が話題になっている今、効率的で質の良い練習を目指していく必要がある。
 負担をあまり感じずに過ごせる環境、長いスパンで成長を見るスケジュール、教員がこの指導の場で成長し
 たと感じられること…みんなが幸せになる活動を追求していきたい。


◯春日部市立豊野中学校  松本 千恵子
《部活動の時間短縮などが叫ばれる中で、発想の転換を》
 ①一人でもできる、そしてどこでもできる(個の力の強化を図る工夫)
 ②マーチングのよさやおもしろさをもっと広めたい(聞いて観て味わう感動の場をつくる)



◯横浜市立潮田中学校  片山 達矢
 ①活動時間の見直しから、より効率よく動き(MM)と音の基礎を合わせたトレーニングが必要に。

 ②一人ひとりが考える意志をもって、「受け身」ではなく、「能動的に」するための心構えや姿勢について






参加者のアンケートから(抜粋)】

・4名の先生方のお話や、普段の活動内容を聞くことが出来てとても勉強になりました。今日教えていただい
 たことを参考にしながら、これからもマーチング活動がより活発になるように頑張りたいと思います。あり
 がとうございました。(小学校教諭)

・それぞれに教育者として取り組んでいることがわかり、とても素晴らしいことだと思います。団体と指導者
 と協力と、もっと力を合わせていけるといいなと思いました。(学校外スタッフ・インストラクター)

・マーチングの指導者としてだけではなく、教師として子ども達を育てていくうえで、重要なことを再確認さ
 せていただきました。(小学校教諭)

・非常に勉強になりました。視覚的効果、何の為のマーチングか・・・それぞれの先生方の考え方がとても
 良く伝わってきました。有難うございました。(保護者)

・悩みどころが同じで、とても参考になった。これからも企画してほしいです。(小学校教諭)

・4人の先生方のお話しはどれも実践的で、貴重なお話を聞かせてくださいましてとても為になる話でした。(学校外スタッフ・インストラクター)



















 











2018指導者入門コースを開催しました


2018年度 
マーチングバンド・カラーガード講習会

~指導者入門コース報告~


   2018年5月27日(日)さいたま市立鈴谷小学校において、
  マーチングバンド・カラーガード講習会~指導者入門コースを開催しました。
   今年の講習会は、鈴谷小学校の相澤先生にご協力いただき、鈴谷小学校マーチング
  バンドの児童の皆さんに日頃の練習の様子を見せていただき、練習の方法や指導のポ
  イントなどを学ぶことができた。
   受講生は、埼玉、栃木、東京、神奈川、群馬、山梨から29名、関東支部の理事も
  加わり約40名で一日、マーチングの指導や運営について研修しました。
  また、今年は新たな取り組みとしてマーチングパーカッションの講義も取り入れ充実
  した講習会を開催することが出来ました。


  【日程と主な内容】
  日時 2018年5月27日(日) 
  場所 さいたま市立鈴谷小学校
  講師 海老沢慶人(一般社団法人日本マーチングバンド協会 公認指導員)
     細谷 美碧(一般社団法人日本マーチングバンド協会 公認指導員)
     大窪 研二(パカッショニスト、一般社団法人日本マーチングバンド協会準公認指導員)



  10:0010:20 開講式 
        ・理事長挨拶
        ・研修部担当副理事長挨拶




  10:3012:00 鈴谷小学校マーチングバンド練習見学


        ・日頃の練習風景を見学しました
        ・合同でストレッチから始めて受講者は指導のポイントを学びました。
        ・海老沢先生の指導

 

13:0013:30 講習①
       受講生自己紹介等
       ・指導方法について
       ・運営上の問題点について


13:3015:30 講習②(3グループに分かれて)

Aグループ(運営・指導に対するディスカッション)

海老沢先生をコーディネーターとしてそれぞれの立場でどの様に指導していけば良いか?どの様な練習計画を組めば良いかなど活発な情報交換が行われました。

 


Bグループ(カラーガードの指導方法と実技)

細谷先生を講師として手具(今回はカラーガード)の使用効果や種類を紹介して頂き、
カラーガードの基本操作を軸に講習を行いました。
テクニカル的な事に目が行きがちですが、どの様なアドバイスをすると効率よく練習が
出来るかなどを指導して頂きました。


Cグループ(マーチングパーカッションの指導方法と実技

今回初めての試みとしてマーチングパーカッションの講義を取り入れました。
大窪先生を講師として楽器の種類やチューニング方法とその大切さ等を紹介して下さい
ました。
管と打楽器のバランスなど日常ではなかなか知ることが出来ない貴重なお話も数多くし
て頂きました。

 


15:3016:00 閉講式
         ・研修部担当副理事長挨拶
         ・アンケート記入


【受講生アンケートより】(一部抜粋)
 〈感想〉
  小学生と一緒に練習したことで指導法や練習の雰囲気の作り方など身をもって
  体験できよかった
  今後、先輩として後輩にマーチングを教えて行く上で必要な念頭に置いておか
  なければならない事柄を学ぶことが出来た
  午後の講義の中で「インセンティブ」はとても為になるものでした。指導する
  上で型から入り、義務のように基本動作をさせている自分がいましたが、必
  ずしもそうする必要が無く柔軟に考えて指導する大切さを考えることが出来
  ました。
  始めてカラーガードをやってみて、難しい演技も丁寧に教えて頂いたので出来
  るようになりました。部に持ち帰って活用したいと思います。
  イメージを持つことに大切さ。指導する方もされる方も大切なんだと言うこと
  がとても分かれました。
 
〈要望〉
  モデルバンドには今回のようにこれからマーチングを始める団体を今後も選ん
  でほしい。
  指導者対象の講習会も受けたいのですが、高校・中学のリーダー向け講習会を
  開催し他校との情報交換が出来る機会がほしい。
   
                                 以  上

2017年度 ~指導者研修会報告~



 2018年1月21日(日)2017年度指導者研修会を開催しました。

 今年の研修会は、2014年度に開催した内容の続編で今まで感覚で指導して
 いたマーチング活動を数値化することによる科学的な活動を導入する貴重な内
 容となりました。



 

 【日程と主な内容】

  日 時 2018年1月21日(日) 13時00分~15時30分

  場 所 エッサム神田

  内 容  『テーマ』 M&Mにおける経験者と未経験者の違いについて(続編)

              ~トレーニング方法の提案~

  講 師 早田 剛(IPU環太平洋大学 体育学部健康科学科 准教授)

      中家淳悟(IPU環太平洋大学 マーチングバンド部 監 督)

 

開講式の後、早速講義に入りました。



1.自己紹介
 ユーモアたっぷりに両先生とも自己紹介して
   下さいました。
   特にIPU環太平洋大学は12名からスター
   トし、短期間で120名を超える部員数とな
   り、小編成から大編成への移り変わりによる
   体験談をお話し頂きました。

 


2.研究の目的

2014年に続き今回もテーマとして取り組まれている研究については
    その大義に『マーチングの普及』があります。
    マーチングの学術的な確立をするために様々な研究を手がけられていて
    今回は過去の経験や知識・感覚での指導を数値化し、根拠に基づく指導
    法の検討や有効なトレーニング方法を見いだすことを目的とした研究が
    行われていました。

 

3.研究事例紹介

 
     a.ストレートレッグとバイシ 
       クルステップとの違い
  検証では股関節、膝関節、足
  関節の曲がり具合を比較する
  ことによる数値化された結果
  をグラフで見てその変化を知
  ることが出来ました。

 

 

 

 

    b.ストレートレッグにおける経験者と未経験者の違い

膝を曲げて速度について行く事がわかり、
姿勢が変化してしまうため統一性が取り
にくいことがわかりました。


※この検証は優位性を出すため
        のものではありません。






  4.その他

    マーチングに関する障害や現在のトレーニング方法から有効なトレーニング
    方法への変革など具体的な数値を参照しながら学ぶことが出来ました。
    また、今後迫りくる少子化問題や外部講師・外部顧問制度の対応出来る人材
    確保などについての提言やマーチング人口を増やす工夫と共に減らさない工
    夫など視点を変えた講義の内容に参加した皆さんも再確認が必要だと感じた
    大変有意義な研修会でした。
 
    では各自が講義の内容から身近に感じた事を質問していました。

 

 

 5.アンケートから (抜 粋)

 本研修会も参加された皆さんにアンケートを採らせて頂きました。
   a.個人会員21名  団体会員15名  その他12名

   b.研修会参加へのきっかけ
    ・昨年も参加し、たいへん勉強になったので
    マーチングについてより深く考えたいと思い参加いたしました。
    マ協、関東支部の案内を見て
    HPを見て興味がわいたため。マーチングのことをどのように
     プレゼンするのか気になったため。
    他団体の練習や考えを知りたいと思ったため。
    マーチングトレーニング方法を学び、明日からの指導に生かせるように
     考えた。

c.研修会の感想

      特に研究意義、マーチングの普及の話は興味深かったです。マーチン
      グが教科書にも載るよう、底辺の私達もがんばり続けようと思いま
      した。また、これからのトレーニング方法(特にブラジル体操)は
      早速取りくみたいといます。
    ・”科学的にMMを考える”ということでとても興味深く聞かせていた
      だきました。子どもたちにより良いマーチングをやっていけるよう、
      また研修会に参加したいと思います。
    ・バイオメカニクスの観点からマーチングを科学する。こういった研究が
     あることにおどろき、研究内容もとてもおもしろかった。今後のマーチ
     ング普及に欠かせないと感じた。次の研究報告もぜひ聞いてみたいです。
    ・トレーニングを見直すきっかけにもなりました。マーチングを科学的に
     研究している内容でしたので、今後の研究や発表も楽しみになりました。
     小学生の傷害率の高さが気になります。重い、だけでは楽しめないです
     ね。
    ・今まで感覚でやってきた部分がありましたが、練習方法やメニューを考
     えて、また、分析し、組んでいくことの大切さが分かりました。開催あ
     りがとうございます。
    ・マーチングというスポーツを感覚的なものではなく、科学という学問の
     面で本格的に分析している事を知り、マーチングに対する考え方の違い
     に驚き、感動しました。
     今回学んだ全てをしっかり同学年に共通認識してもらい、良い後輩指導
     に努めたいと思います。貴重なお時間ありがとうございました。

   d.今後開催してほしい講習などの要望

   トップバンドの具体的な練習方法。
    貴重な講習、研修会どうもありがとうございました。
   ・部活動問題が学校現場では大きな問題として取り上げられています。
    顧問の先生方のワークバランスと生徒の技術向上のバランスを考える
    機会を設け、マーチング活動環境の保全を目指してほしいです。
   ・「理学療法士であるマーチングライセンス所持者」を活用してください。
    今日の研修でとても感じました。
    学校指導を行っても、その重要性をなかなか理解されないことが多いので。
   ・Pyware3Dの講習会など
   ・バッテリーパーカッションにおける知識を科学的な観点からの考察を
    まとめた講習など開催して頂きたいです。
   ・私自身、教員ではなく一般の会社員であり、依頼を受け指導しておりま
    す。話に出たような「外部指導者向け」の指導講習会などあれば、ぜひ
    参加希望です。











これからも参加頂いた皆様やご覧頂いている皆様に有意義な研修会となるよう

頑張ってまいります。